皆さん、初めまして!
MTGとボードゲームを愛するカツと申します。
当ブログではMTGとボードゲームの話題を中心に、扱っていきたいと思います。
ボードゲームは2019年頃から(『放課後さいころ倶楽部』の影響というミーハー野郎)
MTGは2020年の『ストリクスヘイヴン』の頃からと、それぞれまだまだ「ひよっこ」です。
さて、中の人の情報は置いといて……。
記念すべき当ブログ初の記事に当たる本記事では、シモーネ・ルチアーニ氏がデザインに関わったボードゲームの中から、特に比較的手に入りやすい近年のゲームを中心に、おすすめの作品を4個紹介します。
本記事内で他にもおすすめしたい同氏の作品は多いのですが、今回は
1.記事を執筆している時点で入手難度が比較的高くないボードゲーム
2.今までルチアーニ氏の作品をあまり遊んだことがない人に、ぜひおすすめのボードゲーム
という観点でピックアップしてみました。
え? それにしてもどうして初回がルチアーニのおすすめゲームなんだって?
んなもん、ワシが一番好きなゲームデザイナーだからに決まってる!!
本当は「4選」と言わず全部紹介したいよぉ!!
……初回から我が強い記事で申し訳ございませんが、最後までお付き合いいただければ幸いです。
そもそもルチアーニ作品の魅力とは?
まず、作品の紹介の前に、今さらではありますがルチアーニ氏の作品の魅力や特徴とは何でしょう。
これは、結構真面目に皆さんに聞いてみたい所ですが、僕は「アクションの圧縮とそれに伴うジレンマの体験」だと思ってます。※あくまで個人の意見です。
例えば『ツォルキン』では、ワーカーを歯車に差すか、差した歯車を回収するか、という二択を手番毎に強いられます。
プレイヤー的には、ワーカーを差すだけでは何も得られないのでできるだけアクションの手番を増やしたいと思いますし、一度にたくさん回収した方がアクションを一手に圧縮できるためお得に見えます。
一方で、『ツォルキン』のアクションスペースは歯車が回った先ほど強力なため、できるだけワーカーを差してから時間を置いて、回収したいという心理も働きます。
拡張の一部キャラ能力を除き、基本的にパスを許されないこのゲームでは、アクションを圧縮して一手番にするか、分散して何人かのワーカーに強力なアクションを実行させるか、強烈なジレンマを体験させられる、という訳です。
このように一見すると爽快感のない苦しいシステムにも見える、ルチアーニ氏の作品ですが、逆に思惑通りに自らの手番が強く回り始めると、TCGでいう「コンボが決まった」感覚になり、非常に爽快感があります。
そして、その爽快感は得点に直結することがほとんどです。
もちろん、本記事で紹介するボードゲームも含めて、ルチアーニ氏の作品の中には他デザイナーとタッグを組んだものも多くあり、相方のデザイナーの特徴次第で少しテイストが変わるのも事実です。
ですが、ルチアーニ氏がデザインに関わる以上、この手番の圧縮に伴うジレンマのシステムは、ほとんどの作品に反映されていると言っていいでしょう。
さて、ここからは実際に「手番の圧縮に関するジレンマ」を搭載したルチアーニ氏の作品の内、特にその魅力が顕著な作品を紹介していきましょう。
ここで紹介するボードゲームたちは、記事執筆時点で比較的入手しやすいものをできるだけ選んだつもりなので、気になるものがあったら是非ご購入くださいね。
『ロレンツォ・イル・マニーフィコ』
まずは『ロレンツォ・イル・マニーフィコ』です。
2016年発売と、本記事執筆時点から見て8年前のボードゲームですが、2021年にテンデイズゲームズさんが拡張同梱版を出してくださっており、僕もこの際に買いました。
2021年に比べると物価や円安により値上がってしまってますが、まだまだ手に入りやすい方だと思います。
さて、そんな『ロレンツォ』ですが、ゲームシステム的には他のボードゲームでもよくある、ワーカープレイスメントです。
そして、ワーカーは基本のルールで4人と決まっています。
6ラウンド制なので、4×6=24手しか基本的にはない訳で、この24手の中でいかに強いアクションを選び続けるか、という点が勝負の分かれ目と言えるでしょう。
ただ、このゲームの特徴として、ワーカーにはプレイヤーカラーとは別に色が設定されています。
4つのワーカーの色の内、「0」のワーカーを除く3つのワーカーの色は、ラウンド最初に振られるダイスの出目に対応しており、その色のダイスの出目がワーカーの影響力(強さ)になるんです。(使用人を使い出目を強化する事は可能です)
つまり、ダイス3つが「1」だと、そのラウンド全てのプレイヤーは「1,1,1,0」のワーカーでやり繰りをせねばなりません。辛い!
そして何故かこのゲーム、そういう出目が大事な時によく出る!(笑)
またもう一つの特徴として、メインボードの半分に並んだカードの効果があります。
これらのカードはラウンド毎に補充される(手番毎ではない)ため、競争が激しいのですが、取ることで得点が増える以外に、他のアクションを強化するカードも多く、ルチアーニ作品のボードゲームっぽさがあります。
ゲーム全体の印象としては、信仰トラックを上げないとペナルティを受けたり、カードの取得にやたら資源を要求されたり、とにかく手番・資源のやり繰り共「辛い」印象のあるゲームですが……。
目論見通り特定のアクションを強化して、それがハマって高得点に結びついた時は脳汁がかなり出る、おすすめのボードゲームです!
ラッツ・オブ・ウィスター
続いては、2024年5月末に日本語版が発売されたボードゲーム『ラッツ・オブ・ウィスター』です。
ウィスター研究所から逃げ出した天才ネズミたちが、群れのリーダーを決める戦い、というフレーバーの本作は、ネズミコマなど可愛らしいコンポーネントが目立ちます。
が、中身は可愛くない、しっかりルチアーニ氏の重ゲーです!(褒め言葉)
ゲームの基本システムはこちらもワーカープレイスメントです。
このボードゲーム、天才ネズミたちがゲーム中にロボット等様々な発明をできるのですが、この発明品のカードがゲームの行く末を占う、鍵となってきます。
カードには様々なアイコンが示されており、資源やアクションなどが即もらえる即時効果以外にも「ロボット系の発明品をプレイする度に~~を得る」みたいな永続効果や「スパナのアイコン1つにつき1点」みたいなゲーム終了時効果があります。
いかにもルチアーニ氏らしいコンボゲーです。
それなら一つのアイコンに特化してカードをプレイし続けるだけでいいのでは? と思いますが、この『ラッツ・オブ・ウィスター』に登場する発明品カードには、プレイ済みのカードに描かれたアイコンがプレイ条件が設定されているものが多く、プレイ順も大事になってきます。
さらには、これらの条件は早取りの目標達成やプレイヤーボード上のアクション強化等の能力解放にも関わっており、プレイしてみると予想以上にこのアイコン集めが重要な事に気付かされます。
こちらも3手×5ラウンドの15手しかないゲームのため、1手のアクションをいかに強くしていくか、という戦いになります。
ただ、アクション強化のための発明カードや能力解放に当たって、手札のカードと睨めっこする必要がある上、基本がワーカープレイスメントという早置きのシステムなため、ジレンマに悩まされることになるでしょう。
ゴーレム
お次は2021年発売の『ゴーレム』です。
この作品に関しては、結構好みが分かれる印象がありますが、ルチアーニ作品好きの僕からすると実に「らしい」作品と言えます。
同じルチアーニ氏の『グランドオーストリアホテル』に似たアクションピックのようなシステムで、手番は3手×4ラウンドの12手で固定と、実にシビアなゲームです。
無駄な一手を打つ余裕はなく、いかに一手を重く有効なアクションに費やすか、といった思考が求められます。
このゲームの特徴は、なんと言ってもメインボード・個人ボード上様々な場所に散在する多くのパラメータの存在です。
メインボードのパラメータの一つ、ゴーレムの位置はそのままゴーレムを使ったアクションの強さに直結しますし、個人ボード上のパラメータもアクションや収入に対して様々な恩恵をもたらします。
しかし、メインボード上のゴーレムの位置は各ラウンド勝手に上がっていく(先に進む)上に上げ過ぎるとペナルティがあります。
とはいえ、ゴーレムが移動できていなかったり、そもそもスクラップにしていなかったりすると、ゴーレムのアクションが弱くなります。そして、個人ボード上のパラメータを上げるにはゴーレムの力を借りて、強いアクションを打つしかありません。
こうしたアクションまわりのジレンマに加えて、ゲーム開始時にドラフトする目標カードは、ゲーム終了時にパラメータそのものを得点に直結させるため、ゲーム全体に対する長い計画性も求められます。
惜しむらくは、ピックするマーブルを振り分ける役割のシナゴーグと呼ばれるコンポーネントの質が雑なのか、マーブルが投入した位置からあまり動かずに落ちてきてしまうこと。
これにより、マーブルを入れるのが苦手な人が入れると一つのアクションにマーブルが固まってしまったり、逆にうまい人がいれるとある程度コントロールできてしまったりもします。
このシナゴーグの作りでだいぶ評価を下げている感もあるだけに残念ですが、ゲームシステム自体はルチアーニ氏とアッキトッカのデザイナーが組んだ作品としては、非常に納得感のある作品です。
僕としては割と全ボードゲーム中でも上位に来るプレイ感のボードゲームだけに、もっと受け入れられて欲しい作品です。
みんな、遊ぼう『ゴーレム』!
ツォルキン
ルチアーニ氏のボードゲームを語る上で「古いから」という理由だけで『ツォルキン』を外すわけにはいきません。
『ツォルキン』は2012年に発売されたボードゲームで、ルチアーニ氏がタッシー二氏と組んで作った作品です。
ちなみにご存じの方も多いとは思いますが、このタッグは他にも『マルコポーロの旅路』シリーズをはじめ、様々な傑作を生みだしています!
そんな後に様々な作品を生み出すことになるタッグによってデザインされた『ツォルキン』ですが、発売から10年以上が経った今でも十分楽しめる、まさしく不朽の名作といえるゲームです。
本記事の冒頭でも軽く例に挙げて紹介しましたが、手番でやることはワーカーのセットか回収だけ。
そしてラウンドが過ぎる毎に中央の歯車が回り、回収時にワーカーが打てるアクションが変化していくというシステムなんですが、このシンプルなルールが「うう、手元にワーカーがいないから回収するしかない」「コストのコーンが少ないから、一体ずつしかワーカーを配置できない」等と様々なジレンマを生み出します。
資源を消費して様々な恩恵を得られる建物タイルやゲーム終了時に大きな得点源となり得る記念碑タイルのめくりによる揺らぎもあって、遊ぶごとに展開が変わるリプレイ性の高さも良い塩梅です。
ただそんな古くて面白いゲーム、どうせ今となってはプレミア価格になってるんでしょ? と思う方も多いと思いますが、何故か普通に買えてしまうんですよ。
何なら少し安売りされていることまである……。
少しでも気になったなら、買える内に買っておきましょう。
これは『ツォルキン』やルチアーニ氏の作品に限らず、ボードゲーム全体に言えることです。
魅力的な中~重量級ボードゲームがたくさん!
ルチアーニ氏のボードゲームといえば、一緒に組んだデザイナーさんによって多少色合いは変わりますが、一手一手が重い、コンボやシナジーを意識した動きが重要視される中~重量級ゲームが多いといえます。
もし、こうした作品が好きな方は、手に入るものからでいいので、ぜひ手に取って遊んでみてください。
また、本記事では紹介しきれませんでしたが、他にも『ダーウィンズ・ジャーニー』や『ニュークレウム』や『アヌンナキ』など最近のルチアーニ氏の作品で魅力的なものはたくさんありますし、手に入りにくいものまで含めると『マルコポーロの旅路』シリーズや『グランドオーストリアホテル』等、もはや説明不要の名作もあります。
というか『マルコポーロシリーズ』や『グランドオーストリアホテル』もこの記事で紹介できるくらい簡単に遊べるようになってくれ!(切実)
皆さんは、どの「ルチアーニ作品」が気になりますか?
気になるものは……本当に買える時に買いましょうね。僕はこれをせずに何度も後悔しています……。
では、最後までお読みくださりありがとうございました。
次回はMTGネタでMH3の開封記事を執筆できたらな、と思ってます!
このままターン終了までいきたいです!(締めの言葉)